患者さんへ

患者さんは宣告を受けた時点で衝撃であると思います。僕の場合は父親がガンであったため比較的普通に受け入れてしまいましたが、やっぱり衝撃でした。
白血病=不治の病 というイメージが大きく、もう死ぬしかないというイメージしかないと思います。
ただ、医療も5年ごとに進歩しています。もっと早いかもしれませんが。
種類にもよりますが、八割以上完治するものもあります。ただ、残念ながらまだ効果的な治療が確立されてないものもあります。
僕の病気の場合は「フィラデルフィア染色体」があるために予後不良(再発しやすい)と言われていましたが、
薬の開発によってある程度生存率が上昇しました。やはり移植が必要なのはまだ変わりありませんが。

ということで、まず1つ、僕から言っておきたいことは「あきらめないこと」です。医学は進歩していますから一日でも長く生きたいです。
当然自分の命ですから、あきらめることなんかほとんどできないでしょうけど。


二つ目は「がんばりすぎないこと」です。
僕はよく、友人や部活の先輩から「がんばれ」という言葉を言われました。
「がんばらないとなー」と思いましたが、数日というか数時間で気持ちが息切れして疲れてしまいます。
あなたはこの病気になって、入院生活を送ること自体もうがんばっています。
やはり折角来てもらった友人には「がんばれっていうなよ」とはなかなか言えないでしょうから、
そこは自分で「仲間がいるから安心しろ」と言われていると思いましょう。

そして、身内には我慢せずいろいろな要望を出しましょう。
勿論、あなたの思っている通りで自分が病気になったために親御さんや配偶者の方、娘や息子さんにはご負担になっているのは変わりありません。
しかし、いろいろなことを我慢して苦しんでいるあなたを見ている方がとてもつらいです。
これがつらいだの、こうしてほしいだの、愚痴を言うのも良いですし、お願いをするのも良いと思います。


三つ目は「欲を大切に」です。
人には欲というものがあります。出世したいだの、運動がうまくなりたいだの、何かで1番をとりたいだの、あれをやりたいだの、人それぞれやりたいことがあると思います。
人はステージに応じた欲が出てくるはずです。それは必ずその人の「力」となります。
どんなに小さなことでも、それをどんどん積み重ねて大きな力にしていきましょう!


四つ目は「笑うこと」です。
笑うことはいいことだっていいますよね?病気にもいいんですよ。
僕はお笑い大好きなんです。サンドウィッチマンのライブずっと見てました。
やっぱり笑ってると気分も良いです。マイナスに考えればマイナスの方向に進んでいきますから、プラスに考えていきましょう!


最後に、治療の辛さですけども、これは個人差もあるし見る必要もないと思うんですが、どうしても知りたい人がいると思うので(自分もそうでした)書いておきます。
まぁ簡単な話ですが、当然のように普通のプロトコールより移植の前処置の方がつらいです。
まぁ細かくわけると・・・

移植後>>移植前処置の放射線≧移植前処置の抗がん剤(CPA>VP-16)>グリベック>寛解導入(CY,DNR,VCR,プレドニン)>地固め2(CY,DNR,VCR,プレドニン)>地固め1(AraC,MTX)

まず、移植後は一番辛いです。生着前後までは本当に辛いです。
発熱する可能性も高いですし、ラステット(前処置)やメソトレキセート(免疫抑制剤的使用)による口内炎と喉の痛みで食事どころじゃなく自分の場合は唇が腫れて、会話もできませんでした。
まぁ唇の腫れは先生曰く、まれに見るというか見たことのない程の酷さだったらしいのでもう少しマシであると思います。
唾液が常に出ている状態で、これは移植50日くらいまでは見られたかなと思います。最後のほうでは飲み込むことはできたんですが、吐き気がしてくるので^^;
まぁとにかく移植後一ヶ月くらいまでは嘔吐は50回以上したとおもいますし、痛みと吐き気と唾液で睡眠なんか取れたもんじゃないです。モルヒネは使ったほうがいいです。
あのころは発狂するほど(というかしてた)辛かったな。何回も泣きました。

なんてところでしょうか。とにかく「なるようになる」と思いながら一日過ごしてました。
無菌室でシャワーを浴びるのは結局最後のほうまで看護師さんに手伝ってもらっていました。恥ずかしいことじゃないですから、身の回りのことはすべて任せましょう。できることだけでいいです。


〜不妊について〜
でかい問題ですよね。移植のために放射線治療を受ける方はほぼ9割不妊になるそうです。
ただ、自分の命が最優先なのには変わりありませんから、死にたいとは思わないように。

男性は運がよければ精子保存が可能ですから、主治医にご相談ください。
女性の方は詳しく分かりませんが、一人だけで抱え込まず、主治医にご相談ください。
そのときのことも日記に書いています。

戻る